こども事業部
小学校入学を前に、ニュースを聞くと心配な事ばかり。「いじめの加害者にも被害者にもなってほしくない」「みんなと同じように学校に行ってほしい」「勉強ができて一生食べるに困らない仕事につけるようになってほしい」と願うのは親として当然の想いです。
いじめや不登校、学業ドロップアウトの低年齢化は深刻な社会課題となっており、文部科学省の調査でも不登校児童数は過去最多を更新し続けています。こうした「学校生活への不適応」への不安は決して特別なものではなく、現代の子育てにおいて避けては通れない共通の悩みとなっています。
こどもたちの こどもたちによる
みらいへつながる こどもじぎょうぶ
「対話の経験」が非認知能力と認知能力を育む
小学校という新しい環境に踏み出すと、様々な問題に直面します。ともだちと一緒に問題を解決していくには、「対話」が必要です。「自分」の想いを言葉にすると同時に、自分を押し通すだけでなく、相手の想いも尊重することで、「小学校」という「社会」の中で自分を発揮して、解決策を見出していく経験です。
こども事業部では、子どもは自分の考えを伝え、相手の話を聞き、対話を通して物事を決めていく経験を重ねます。意見の違いがある場面でも、話し合い解決策を見つけていくことで、協調性や自己表現力、相手を理解する力などの非認知能力を育んでいきます。
加えて、対話を積み重ねる経験は、話す・聞く・考える・まとめるといった学びの基礎につながります。対話をするために、子どもが自発的に書記なども行い、文字や数への興味を深めます。また順番・多数決などの社会的な概念に触れることで、多様な認知能力を育んでいきます。
こども事業部は、就学前に必要な力を「教え込む」のではなく、生活と活動の中で育て、未来を生きる力の土台を創ります。

「やりたい!」を形に。自ら考え、得意なことを活かして進める主体的な活動
こども事業部は、5歳児を対象とした就学前教育の取り組みです。5歳児クラスに進級した子どもたちは、HITOWAキッズライフ5歳児全員集合の入社式を経て、HITOWAキッズライフこども事業部の社員になります。
活動全体を通して大切にしているのは、「やらされる」経験ではなく、「やりたい!」という気持ちから生まれる主体的な経験です。子ども一人ひとりの好きなことや得意なことを活かして、園の活動に取り組みます。
こども会議の実施
「子どもたちが、自分の生活や遊びを決める主体として、自由に意見を交わし合う」ことを目的にした会議を実施します。自分の気持ちを言葉にする、ともだちの言葉を聴く、みんなで相談しながら決める経験を重ねます。
子どもの気づき:「多数決だと悲しい気持ちになるおともだちがいる。最後まで話し合いで決めよう」
お仕事活動の実施
「子どもたちが、誰かのために保育園内の様々なお仕事に取り組む」活動をします。今現在やっているお当番活動を「今までやっているからやる」から「保育園のみんなのためにやってあげたい」と主体的に取り組む活動に変化していきます。
子どもの気づき:「自分たちだけで決めるんじゃなくって、クラスの先生にも聞いて新しい仕事を発見しよう」
地域・未来への貢献
保育園や地域、そして未来のために何ができるかを自分たちで考え、行動します。地域の資源を活用し、市民として地域社会とつながります。
子どもの気づき:「いろんな仕事をしている人がいる。お話をきいてお仕事図鑑を作ってみよう」
国際基準と国の指針に基づく教育
こども事業部は、公的な方針や学術的理論を基軸に設計しています。単なる経験則ではない、確かな根拠に基づいた教育を実践します。
1. 「幼保小の架け橋プログラム」の体現
小学校入学の不安の解消は、国でも保育園と小学校がつながる「架け橋プログラム」として全国で取り組みが始まっています。こども事業部は、幼児教育の第一人者・武藤隆氏(白梅学園大学客員教授)が提唱する以下の就学前に重視すべき4つの視点をすべて満たす活動を展開しています。
①幼児期の学びを「芽生え」としてとらえる:多様な心が動く体験をさせる
②学びを記述する:「芽生え」を記録し、その場限りにせず発展させる
③学びを自覚化する:発見した、できた、わかったを振り返り話合い、自覚できるようにする
④幼児期の学びを拾い出す:幼児期の終わりまでに育つ10の姿につなげていく
2. 社会文化的な発達理論の採用
Rogoff(2003)の発達理論に基づき、「子どもの発達は社会的な活動への参加を通して進む」という視点を取り入れています。子どもを受け身の存在ではなく、社会を構成する一員として尊重し、主体的な参加を促します。
3. 子どもの権利と多様性の尊重
ユニセフ『子どもの権利条約』が示す「意見表明権」や「差別の禁止」、文部科学省の『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』を土台としています。一人ひとりの多様性に配慮し、対話と選択の機会を保障することで、自己肯定感としなやかな社会性を育みます。


「探索する学び」が、生涯にわたるウェルビーイングの芽を育む
乳幼児期は、生涯にわたるウェルビーイングの基盤が培われる時期であり、就学前教育の重要性がこれまでの研究によって示されています。就学前教育は、学校教育を前倒しで行うような、いわゆる「早期教育」のことではありません。乳幼児期の学びは「探索する学び」ともいわれます。子どもたちは、日常の生活や遊びの中で探索し、様々な可能性を試し、時には失敗し、それを乗り越える経験を通じて、物理法則や社会的ルールなど、生きていくために必要な基本原則を発見的に学んでいくのです。
園での生活や遊び、活動や行事等の中で、子どもたちが様々なことに挑戦したり、先生や友達とかかわりあうことを豊かに経験できるようにすることが、就学前教育では重要です。そのために、園の先生たちは、子どもたちが園で安心して過ごし、安心を土台として多様な挑戦ができるように、計画的かつ柔軟に環境を整え、活動を準備し、学びや育ちのために必要な援助やかかわりを行っています。